エジプトブログもVol.10となった今回は、自分がこれを見たくて、エジプトに行ったと言っても過言ではない遺跡を紹介します。
その名は「アブシンベル神殿」。
エジプトと言うと、「ピラミッド」や「スフィンクス」がすぐに出てきますが、「アブシンベル神殿」という余り聞いたことないこの遺跡は、今ではよく耳にする「世界遺産」の創設のきっかけとなった遺跡です。
前にも書きました広大なアスワンハイダムの建設にあたって、大神殿と小神殿からなる岩窟神殿が水没する危機を、ユネスコが救済活動を開始し、世界60ヶ国の援助により、いくつものブロックに正確に分割され、上方約60mに移動されました。
写真左が大神殿で、右が小神殿です。
この神殿の反対側には、遺跡移動の発端であり世界3位の貯水量を誇るナセル湖があります。
大神殿は太陽神ラーを祭っていますが、写真に写っている4体は建造主のラムセス2世です。(1体は崩れていますが・・・)
ラムセス2世は自己顕示力が強いと見えて、神殿内部には自分の活躍を描いたり、エジプト各地に自分の像を建てたり、相当な権力を持っていたようです。
もっとスゴイのは、写真に小さく見える入り口の一番奥の至聖所に、プタハ神、アメン・ラー神、ラー・ホルアクティ神、そしてラムセス2世の像が祭られているが、ラムセス2世の誕生日と即位日と言われている春分(2月)と秋分の日(10月)に、小さい入り口から至聖所に朝日が差し込むように建てられている。
しかも、一番左に並んでいる冥界の神プタハ神には日の光が当たらないように・・・。
どこまで古代エジプトの技術は発達していたのか!?
でも、水没危機による移動で、1日ずれてしまったようです。
こちらの小神殿には、ハトホル神という女神が祭られていますが、ラムセス2世の妃であるネフェルタリに捧げられた神殿です。
奥様だけの為に、こんな大きな建物を造ってしまうんですから。昔の王様は・・・。
現代の一家の王様!?は奥様の為に、何が出来ますかね?